abOut.nsf

新旧かまわず、またお役立ち度にあまりこだわらずに、 拡張子がnsfであるNoSQLなデータベースファイルと、それを扱うコラボレーション製品に絡んでのあれこれを。

2017/10

去る、現地時間でいうと10月25日、日本では26日の私はたぶん就寝中だった頃に、Notes/Domino 10 のアナウンスがありました。

すでに加藤さんや小島さんが概略や期待をを書いてくださってます。

で、本作文は、この発表にまつわる周囲の反応をウォッチしていての個人メモです。


☑変なウワサの払しょく
      少し前まで、IBMさんはもうNotesに見切りをつけたのでは、という憶測、あるいは、IBMの人がそう言っていたよ、という噂さえ耳にする状況でした。海外では、競合製品サイドのブロガーによる「もうノーツの開発は停止されているよ」という、明らかなウソの記事さえありました。
      しかし、9月のDAC(Domino Applications on Cloud)の発表につづく、今回の新バージョン10の発表。というだけでなく、2025という新たな数字を出して見せたことで、継続のメッセージを明確にしています。
      変なうわさ、不安自体はいったん払拭されました。

    ☑でも、遅すぎる?
      発表を行なったインヒ氏やエド氏のタイムラインには、待っていましたとばかりの喜びの声があがるとともに、遅いわい(too late)、という反応が少なからずありました。おそらく中には、すでにNotes/Dominoから離れ、競合など他の技術畑に業務シフトしてしまった、ちょっとやそっとではNotesの世界に戻れない方々がいるのではと想像しています。

      発表側も予想はしていた反応でしょう、そんなタイムラインがひととおりながれたあとのインヒ氏のTweet:
        IBM Notes Domino run mission critical enterprise workflow & email systems securely and globally! Join #domino2025

      答えなのかどうかはわかりませんが、再覚醒させる覚悟のような力強さをすこし感じています。

    ☑HCL社との協業開発

      私は鈍感にしてすぐに気づきませんでしたが、この発表については「Thinkpadを思い出す」という反応Teewtが複数あり、ようやくははーんと気づきました。いずれはIBMからHCLに移管されるのでは?という予想もでたようです。

      でも、先のことは置いといて、云われてみればどこかとの協業は当然だよねというのが私の当面の感想。8以降、サポートするツールの種類が増えているからです。クライアントがBasic版Standard版に分かれ、さらにICAAもある。VerseにTravelerに。。
      これをすべてIBMの従来の陣容で賄うのはサポートが薄くなるのではという懸念がありました。じっさい、日本語でBasic版のある画面ヘルプを探してるのにStandard版のものしか見つからないなんてことはありました。

    ☑どんな色、どんな名前で出るか?
      DACの発表時には黄色と金色のシンボル画像。
      そして今回、黄色のシンボル、それどころかエド氏までが「黄色い血」なんてハッシュをつけてTweetをのこし、9でいったん青に染まったNotes/Dominoは再び黄色をまとう気配濃厚です。

      バージョン
      どちらかというと日本の反応で、マックOSのように10を「X」としてはどう?という意見があります。肩をもちかけたのですが、まてよ。それって、「ノーツはバッテン🙅」って突っ込まれかねないのではと、
      私は「10」(いち👆マル🙆)を支持したいと思います。

      ブランド名
      Notes/Domibo 9では冠が「Lotus」から「IBM」に変わりましたが、
      黄色い血と共にLotusの復権もあり得るでしょうか。
      ふと気づいたこと。前述のHCLは、インド企業ですが、
      「蓮(lotus)」という植物は、そもそもインドがルーツだそう。さらにはインドの国花でもある。

      もちろんカンバンより10で展開されるソリューションの中身の方が重要ですが。

    ☑Domino2025
      詳細は明らかでありませんが、つまりNotes/Dominoに関した新たなアイディアの募集です。

      これにより、私の仕事が増えたかも。

      昨秋今秋と、最近2回のLotus技術者夜会・テクてくカフェで、アイディア集めや未来談義を行わせていただきました。みなさんから提示いただいたいろいろなヒントや提案が模造紙に書き込まれ、それ自体はIBMさんのマーケご担当にお渡ししてはおります。
      が、手元に模造紙の写真が、記憶にその時の活気が残っています。改めてここへアウトプットしなくてはならないのではと感じています。
      まとめるにあたっては…コミュニティの協力、得られるかな?

    コグニティブな連携って?~私の夢想 その1
    その2
    その3
    その4
    その5


    「静岡なんて田舎だけど富士山だけはよく見えたよ」
    「まわりは茶畑だらけ、とか?」と、これは友達の子
    「ううん海側。ちょっといくと港があってね。。」
    私がすかさず
    「じゃあ清水とか焼津とか」
    と返します。
    「清水なんです、よく知ってますねぇ」
    ここで関西の子が
    「あの辺って三保の松原あるでしょ」
    「そう!」
    「あそこなら行ったことある、あたしがいった時は天気良かったのに、あんまりひとけ無かったなぁ」
    というので、
    「世界遺産なのに?」

    と返しました。ここで、2人ともきょとんとします。

    「まあ世界遺産だからって、毎日人が来るとは限らないか」
    でも、そういうことではなかったようです。
    一瞬、しーんと沈黙が流れたあと。

    「そうだっけ?」関西の子が静岡の子に聞きます。
    「まさか、ないないないない、富士山だって無理だっていわれてるのに」
    「何が」と聞くと
    「だって世界遺産だなんて」と、笑っています

    しかし、そのことは時事DBに載っていたんです、ここは自信を持って
    「富士山と一緒に世界遺産になったと思うよ」私が続けると
    「富士山なんかゴミだらけで無理って云われてるじゃない、知らないの?」

    知らないの、と聞かれれてこちらはドキッとします。

    ここにいたってようやく、「二人とも富士山や三保の松原が世界遺産であることを知らない」ことに気づきました。いや知らないどころか世界遺産ではないと思っているようです。

    あれ、どうしてだろう?

    こちらが考え込んでいるうちに、女の子二人の話題がサッカーのことに移っていました。
    今思えば、話題がころっと変わったことで、変な言い訳をしなくて済みました。

    後でわかったんですが、富士山や三保の松原は、1997 年当時は世界遺産じゃなかったんです。後になってこっちの時代に戻ってから調べてみると、ずっとあと、2013年に世界文化遺産になったそうです。
    実はその前には自然遺産として登録しようとしていたけど当時はゴミだらけの山で、自然遺産は無理だろうと。

    でも、どうしてだろう?

    というのは、前の晩に、部屋にこもって、Notesの時事DBで予習した私は、
    三保の松原の記事を「世界遺産」というタグから拾っているんです。「中部地方の世界遺産」っていうカテゴリを開いたら出てきたんだったかな。
    そこには富士山の記事も並んでいたので、安心して話題にしたのです。
    繰り返しますが、1997年7月より後の記事は、あらかじめ時事DBから削除してあるんです。

    これ、実際の画面ですが

    検索画面で「静岡&世界遺産」といれたところです。

    ほら、これが実際のNotesの画面だけど、ここを開いたのかもしれませんね。

    あとでわかったのはこう云うことです。


    時事DBそのものは、旅立つ前にこちらで用意したものでした。
    Notesのバージョンは低いように見せかけて、実際に裏OSの最新サーバーに入っている各DBにはWatsonに作らせた索引とカテゴライズが入っています。

    今では決して新しい機能ではないのですが、1997年のNotesにはなかった自然言語処理による索引とカテゴライズが付加されていました。今さら感がある方には恐縮ですが、もう一度説明しますね。先程ジョン・レノンの例え話をしたあの機能です。

    つづく

    コグニティブな連携って?~私の夢想 その1
    その2
    その3
    その4


      出かける前の話が長々と続いたが、ようやく現地での話しになった。スクリーンに映された写真では、3人の背後に火山っぽい茶色い地肌の山。

    後ろに山が写っていますが、宿の近くから眺められる浅間山です。私が行ってきた先は1997年の軽井沢です。

    ただ、はじめから軽井沢に向かったわけではありません。
    装置がたどり着いたのは群馬県内の、とある集落近くの森の中になります。2026年ごろに再発見された小さな洞穴の中です。元々は、90年前の戦時中に、防空壕として、掘られたか広げられた穴らしい。それが集落の過疎化とともに、地元でも忘れられていて、平成の当時は誰も知る人が居ない場所でした。装置・・いわゆるタイムマシンは、絶対に誰にも発見される心配がない場所に置いておきたかったので、ここがうってつけだろうと、装置の目的地に設定された次第です。こうした穴は不用意に入っては危険なので、あらかじめ無人調査してありました。つまり装置にカメラなどを載せて一度無人のまま1997年の洞穴まで行ってきてもらってあったわけです。自分が行く段になって、念のために酸素マスクを用意してましたけど、使わずにすみました。

    洞穴のある森の集落から近くの駅まで下り、当時の在来線に乗って軽井沢に向かいます。

    なぜ行く先を東京などにしなかったかと云えば、街の真ん中で突然未来から現れたら、目立ちます(笑)。まずは、装置を完全に隠せる場所を都会で見つけるのは難しかったからです。それに、うっかり過去の自分の知り合いと会うのは避けたかった。97年当時の私自身は、まだ小学校に上がってないころなんですが、私の親とか、親の知り合いとか、自分が将来世話になる誰彼を見つけてあっと慌てる、なんて状況はなんとなく避けたかった。
    未来への影響はわからないけど、旅人の「知り合い」「関係者」とのコンタクトはなるたけ控えようというチームでの合意もありました。

    都会は避けて、でもあまり山の中すぎても当時の人とふれあえる範囲がせばまってしまう、でも、近くの軽井沢まで移動すれば、地元だけでなくいろんな人がいる点も好都合でした。

    バスに乗るほどでもなかったので田舎道をくだって信越線に乗りました。切符売り場でおそるおそる当時の1万円札を財布から出して、自動販売機に入れました。

    この頃の軽井沢には、まだ新幹線では行けません、開通するのはこの年の秋です。
    当時のメインルートは今回乗車した在来線です、私が行った3か月後に廃止されてしまうんですが、当時、群馬側から軽井沢に入るには、一つ手前の横川という駅から電気機関車に押したり引っ張ってもらったりして急勾配のトンネルをいくつか抜けるんです。
    横川の駅をでるときが印象的でした。ホームにやたらお弁当屋さんが居るなと思ったら、あとで知ったんですが、当時は釜飯といえばこの駅だったそうです。そのお弁当やさんたちが、発車の時に一斉にこちらに向かって一礼するんです。
    あのお辞儀にしみじみしてしまいましてね。来てよかった、ついでに釜飯買っておけばよかったなあ、と。

    それからまだ工事中の軽井沢駅で降りて、観光案内所であいている宿を教えてもらいました。

      講師の視線がスクリーンの写真に戻り

    この子たちは東京の学生で、毎年夏休みのアルバイトで宿の仕事をしてたんです。
    こちらの子は関西出身・・京都か奈良か忘れましたが・・さっき、地震の後の神戸を見てきた人に会ったと云ったのはこの子です。もうひとりのこちらの子は静岡だそうです。

    最初の夜は用心して、必要最小限のことしか喋らないようにしていましたが、ただ黙りこくって過ごすために過去に旅してきた訳じゃありません。
    ネタ帳である時事DBでこの頃のニュースや話題をおさらいしたときに、
    たまたま地域情報のページが目に留まりました。
    女の子たちは静岡と関西って云ってたっけ、
    Notesは見た目のバージョンは古いのですが、実体が裏OSのサーバーにあるので、今時の索引が付いています。検索語がカテゴライズされた「索引ビュー」で「京都」とか「静岡」を調べれば、共通の話題を探せるかも

    なんてNotesの中にある事典を前の晩に部屋でチェックしたり。別に京都や静岡に詳しい必要はないんですよ、やたら詳しくてもおかしいですから。ただ当時の人たちが静岡と云われてふつうに知ってそうなこと、今の僕らには歴史になってしまったことを何となく押さえておけばいい。たとえば当時静岡にあった2つのサッカーチームの名前とか、現存してますけど今はリーグが違いますよね。当時はJ2とか無かったですけど。

    ネタを仕込んだ後、宿の談話室では、まずは話のキッカケにと、明日温泉に行きたいんだけど、と相談しました。軽井沢のことはよく知らないんだけど、そばに火山があるなら温泉もあるんですか?
    と聞くと、ありますよ、と関西の子が反応して、少し旧いけど、中軽井沢から山間に向かったところにいくつかあります。えーと星野温泉とか・・お車でしたっけ?

    この時代の免許証を持っていない私は当然車も使えません。

    いや、バスとかでいけますか?と聞くと

    ちょっと待ってください、地図描きますね、
    と、隣にあったノートのページをびりびりと破りとって、バス停までの道のりと温泉への、イラスト入りの略図を書いてくれます。
    バスのルートの脇に、カタツムリに車輪がついた絵を書き加えてるのを見て、
    これは何?と尋ねると、
    「星野温泉に行くバスが、かたつむりバスっていうんですよ、それに乗ってください」

    と、後ろでお皿を拭いていた静岡の子が急に笑いだしました。
    「ばか、テントウムシだよ!」「え? あーっ!」
    実際には「てんとうむしバス」という愛称のバスが当時走ってたんです。今では無いらしいです。
    勘違いに気づいた関西の子がカタツムリをテントウムシに描き直そうとするのを、いいよいいよと抑えましたが
    「まあ確かに、カタツムリじゃあ運転速度が心配だよね」
    それでこの子たちとの会話が少しほぐれました。
    「あー、またそれ破いちゃったの?」
    と、静岡の子が言うのでよく見ると、関西の子が破いたノートには、表紙に「思い出ノート」のVolいくつ、と書かれていて、泊まった客が感想なんかを書くためのノートでした。
    その、空いてるページが破かれて、私のための地図になってしまったというわけです。
    「いいっていいって、お父さんにいわれたら、ヒロ君が破いちゃったって云っといて」
    宿のマスターのことをスタッフがお父さんと呼んでたんです。ヒロ君というのはその子どもです。
    「あたしにはできないなあ」
    「でも折角ですので地図は使わせてもらいます」
    「カタツムリじゃないけどね」(笑)

    仕事を終えた静岡の子と、他の客も出たり入ったりするなか雑談、震災の話はこの時に関西の子から聞きました。こちらも、さっきNotesのデータベースで仕入れた、にわか仕込みの知識を交えつつ何とか話を合わせます。

    うまく合わせてるつもりだったんですが・・

    つづく

    10月に入りました。
    9月に日本で発表された、「IBM Domino Applications on Cloud」 が、今月からサービス開始となります。何日からかな?やっと出たかという思いもありますが、日本でこうした大きな発表が行われたのもうれしいですし、Webアクセス限定ではなくNRPC、つまりNotesクライアントからも使える形にしているのは大きいと思います。とはいえ周囲の反応でとにかく目立つのは価格面の不安・用心。DBアプリ数を単位とする概要は発表されていますが、既存のユーザーにしてみれば、今の環境で支払っているそれなりのライセンス費と考え併せ、クラウド環境を追加しても費用ロスが少ないようなオプションを、順次追加してもらえるかどうかがカギのように思われます。Notes/Dominoはオールインワンだからコストは競合より抑えられる、という看板を損なわない形、いまでは価格上はオールインワンのオプションを持つらしい競合と遜色ない形に進化してもらえたらと願っています。

    さて本題に入ります。

    IBM Notes 9.0.1 Feature Pack 9 (FP9) からひとつ、なくなった機能があります。あるブログ記事でのコメントを通して知ったのですが、IBM Notes 9.0.1 Feature Pack 9 (FP9)では、Notesクライアント内のブラウザが廃止されたもようです。

    What's new in IBM Notes Feature Pack 9?

    こちらの先頭に、Embedded Browser removed という情報が、いつの間にか追加されており、日本語版の記事には今時点で未反映です。

    つまり、この設定がなくなったよ、ということのようです。
    イメージ 1
    (FP未適用のNotes9.0.1設定画面)

    当初(Lotus NotesのバージョンがR4台だったころ)は、たしか「インター Notes Webナビゲータ」という名前のDBとして登場し、いつの間にかそうは呼ばれなくなり、ネット検索してもこの名ではもう出てきませんが、Notes が9に至るまで、この独自ブラウザはずっと実装されてきました。

    前述記事を書いたDanielさんは困られていますが(Social機能的にはどうなんだろう。。)
    個人的には、この廃止はユーザーが変に悩むことがなくなって良いことのように思えます。
    というのは、ユーザーのヘルプサポートをしていると、Notes文書からリンクしているWebサイトが見れない、という問い合わせを受けることがけっこう多いのです。
    画面を見せてもらうと、IEやChromeではなくNotesのブラウザが起動している。たいていのユーザーさんは、そのことにも気づかれていません。前掲の設定画面で、「このオペレーティングシステムで~」に選択を切り替えて解決。

    私自身はFP9を入れていないので、確認もせぬうちに書いてしまうのはどうかなと思いつつ。Future Packの新機能については、10月のテクてくLotus技術者夜会で、御代さんがセッションを持たれる予定ですので、こちらから是非お申し込みを。本件も見せてもらえるかな。



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